№46 まぼろしの「電車 宮島線」   

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 現在宮島線を経営する「広島電鉄㈱」の前身は「広島瓦斯電軌㈱」であるが、それ以前に宮島線を敷設申請をした別会社があった。何れも実現性が乏しかったり、会社の事情により実現に至らなかった。

厳島鉄道㈱出願、広島~阿品間の鉄道敷設願書が、明治28年(1895年)9月17日に却下される。
明治28年9月18日 芸備日日新聞
 予て出願中なりし中西米介外八名より出願に係る、厳島鉄道株式会社(広島及阿品間)の願書は、昨日却下せられたりしが、右は客月廿八日以来の鉄道会議にて否決せられしを以って、斯くは却下せられたるものなれども、此鉄道最早時勢後れの厄介物にて、実は発起人にありても持て余したるものな利子ならん。

明治45年1月31日。広島電気軌道株式会社より、己斐・大野村間の軽便鉄道敷設願いがだされる。

明治45年3月13日 軽便鉄道敷設願い却下。
 この願いは国有鉄道と並行するもので、敷設の必要が無いと内閣総理大臣より、「聞届ケ難シ」と却下されている。

大正5年12月8日、再度広島電気軌道株式会社より鉄道敷設の申請が出される。
宮島線軌道敷設特許申請書
 私共は今般、広島県佐伯郡己斐町字才崎己斐駅前より、同県同郡草津町・五海市町・廿日市町・地御前村を経て、同郡大野村赤碕宮島停留所前に至る間に電気鉄道を敷設し、一般運輸の業を営みたいので御許可願います。軌条条例取扱第一条により、別紙図面・関係書類を添えて申請します。

 この申請は関係町村の意見が整わず、またその路線が国有鉄道と並行するもので、その必要は認められないと却下された。

 現在の宮島線が開通する以前に、別会社で三回の申請が出され認められなかったのである。

by hirosan_kimura | 2009-01-27 04:38 | 広電 | Comments(0)

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