№45 山陽自動車道と阿品   

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 山陽自動車道は阿品地域を通過していず、阿品とは全く関係ないようであるが、大いに関係しているのである。

 この道路は昭和62年12月18日には廿日市JCT~大野IC間が供用開始された。大竹IC~岩国ICは昭和63年3月29日に開通している。

 その間の大野IC~大竹IC間が開通したのは平成2年11月27日と,前後のICまでの完成より3年近く遅いのである。この遅れが阿品と大いに関係しているのである。

 高速道を廿日市方面から大竹市に入ると間もなく、山でも無いのにトンエルのような中に入る。これは高速道路の脇に大きな病院があるため、騒音や排気ガスなどの影響を受けないようにするためである。

 当初の計画ではこの病院を移転し高速道路を整備する予定であった。この移転先が鰆浜の県病院跡地であった。

 この計画が発表されるやいなや、阿品地域では大反対運動が展開された。高速道路の整備は着々進んでおり、病院が移転しないと道路計画も見直さなければならないので両者必死の説得が行われた。結局、地元の強力な反対運動で阿品への病院受け入れは断念された。

 新たな移転用地を見つけるのは困難で、この間に道路整備の工事は遅れトンネルのような高速道路が完成した。

 ちなみに廿日市~岩国間は山陽自動車道でなく「広島岩国道路」が正式名称である。広島岩国道路は国道2号線の交通混雑を図るため、昭和48年に「一般有料道路」として認可がおりた事業であり、山陽自動車道は昭和53年施行命令が出された「高速道路」である。

 広島岩国道路は先行して事業着手したが、山陽自動車道を整備するにあたって並行して道路を整備するのは無駄が多いので、この間は「広島岩国道路」に「山陽道」を取り付けたものである。

by hirosan_kimura | 2009-01-26 04:08 | 道路 | Comments(0)

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