№31 とんど
2009年 01月 12日
とんどの歴史は、平安時代 宮中で青竹を束ねて立て、毬杖三個をを結びその上に扇子や短冊などを供え、陰陽師が謡いながら焼く左義長と言う行事が伝わったものと云われ、火を焚くことで、邪気を祓ったり悪いことを追い払うと信じられていた。
阿品で「とんど」がいつの時代から行われていたかは分からないが、昭和30年代頃までは鰆浜・阿品部落両地区で盛んに行われていた。長らく途絶えていたが昭和54年1月14日に鰆浜で復活し、以来阿品地域全地区の行事として毎年行われている。
鰆浜地区では田圃の中に先を尖らせた大竹を立て、中ほどに竹馬のような足場を作り人が乗り、そこにくくり付けた縄を四方から人々が「ホーロクじいやぁ ホーロクばあやぁー」と囃したてながら引っ張り、大竹の根元を地中深く埋めたそうであるが、今は田圃で行われないので、このような方法で竹を埋めることは出来ない。
この行事は今では正月が明けた休日等に行われるが、小正月の1月15日に行う火祭りで旧年の「お札」や「正月飾り」「注連縄」等を焚き上げ家内安全等を祈願するものである。
また、「とんどの火で体を温めると,無病息災で一年を過ごせる。」「書初めをとんどの火で焼き、空高く舞い上がれば、字が上達する。」「この火で焼いた餅・みかん・スルメをいただくとその年は病気をしない。」などと言い伝えられている。
各地で行われていた「とんど」も空き地が無くなったり、お世話をする人の労力も大変でだんだん廃れているが、いつまでも子ども達に伝えていきたいものである。
by hirosan_kimura | 2009-01-12 06:47 | 行事祭礼 | Comments(0)