№1029 水道事務所初出勤   

 昭和40年4月1日(木曜日)、定刻に出勤し移動辞令を受領。旧職場の住民課厚生係職員に最後の挨拶、新年金係員二人に簡単な打ち合わせを行い水道事務所に出勤する。

 今までなじみのない職場であり、職員も初めて会う人ばかりでとても緊張した。しかし二年前役場に就職した二人の内の一人が同僚になったこと、年配の事務員の人が同郷の地御前の人であり顔なじみであったため少しは気分が楽になった。

 全職員を紹介してもらい、当面の間 旧職場と掛け持ちのようになり午前は役場庁舎、午後は水道勤務となるが主体は水道であること等を説明してもらった。

 その後、廿日市の水道の概況や施設等について説明をしてもらった。ただ、早いうちに他の職員と同等に交替で当直があり、その際は一人で機器等の操作をしなければならないとのことで戸惑った。

 一般事務ならともかく、機器の操作等極めて不器用でありこの先どうなるのか不安であった。水道の仕組みは何となく理解できても、機器の操作となると自信は無かった。

 当時、事務所の職員は所長1名、事務員2名、現業5名程度でこの内所長を除いた7名程度で毎日の夜勤、土曜日の半直、日曜・休日の日直を交代でしていた。日中の業務は通常に行い、その上に当直の頻度も多く、厳しい勤務体制であった。数年後、当直勤務専任の職員が採用されるまでこの状態が続いた。

 2ケ月間は午前は役場に勤務し年金係の指導、午後は水道勤務であった。係員二人が移動し年金事務経験者が居なくなったとはいえ、余りにも理不尽な勤務体制なので再考してもらうよう申し出ようかとも思ったが、議論の上このような措置になったのだろうと従った。

 前任者が二か月間もついているので、年金係にとってはこの上もないことであろうが、こちらとしては慣れない業務を習得せねばならず悪戦苦闘の日々であった。その上気になるのが近々、日直・当直の当番が当り、一人で機器の操作をしなければならないのが頭から離れなかった。水道の人に「当直が不安でたまらない。一人で機器の操作をする自信がない。」と話しても、「そんなに苦にすることは無い。必要なことは教える。皆で助けるから心配しなくて良い。」と言ってくれたが、かえって心配が増すばかりであった。 

by hirosan_kimura | 2025-03-11 10:14 | Comments(0)

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