№737 昭憲皇太后「お上がり場」へ(2)   

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  №705で皇太后の厳島御参詣を紹介した。この記事では阿品の「お上がり場」に何時に到着され何時に出発されたのか、厳島から「お上がり場」への到着時間等は何時であったのかは紹介していない。色々調べてみるともう少し詳しい時間が判明したが、これはあくまでも事前に計画された予定時間で実際の時間は不明である。ちなみに昭憲皇太后は、今の天皇の曽祖父の御妃である。

明治28年4月12日
午前八時 御出門  
八時四十分 草津御着 小泉甚右衛門邸  御小休 
八時五十五分 同所御発

十時廿五分 阿品御着 御小休 御野立  十時四十分 同所御発船
十一時十分 厳島港御着船  

直に御馬車御乗厳島神社回廊入口にて御下車御通覧
正午十二時 紅葉館御着  御昼休所 岩村平助邸  
午後一時 同所御発御馬車
神社入り口にて御下車回廊通再び御馬車御乗大元神社へ成らせ
それより千畳閣御巡覧
午後三時 厳島御発船

午後三時三十分 阿品御着 御小休 御野立  三時四十五分 同所発
午後五時十五分 草津御着 御小休 御野立  五時三十分 同所御発
午後六時十分 還御

 お上がり場に到着後は「小休み」「野立て」とあるが発船までたった十五分しかない。この間にトイレにも行かれたであろうし、「野立て」など優雅な時間も無く慌ただしいものであっただろう。

 行き帰り合わせて三十分程度の滞在であるが、皇后陛下がお茶を飲まれるための休憩所・トイレ等は仮設のものとはいえ大掛かりな準備が何日も前から行われたのであろう。

 阿品の人々は仮設の施設が準備される様子や、皇后陛下の姿を遠くから拝見したり、さぞ大騒ぎの出来ごとではなかっただろうか。

 上記は予定時間で実際の時間は不明であるが、広島を出発された時間、厳島の「岩惣」到着十二時は予定通りとなっている。ただ帰りの「お上がり場」到着時間は予定では三時三十分となっているが、実際の到着時間は五時十五分と一時間四十五分も遅くなっている。

 従って御座所への帰還時間が六時十分の予定が、六時五十分と四十分おそくなっている。天皇や皇后の行幸計画はでは分単位・秒単位の計画が立てられると聞いたが、四十分も計画を外れているのは皇后が厳島を気に入り予定時間を超えるほど見物されたのか、なにかアクシデントでもあったのであろうか。

by hirosan_kimura | 2016-02-13 14:32 | 出来事事件 | Comments(0)

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