№611 ヒトデの肥料   

№611 ヒトデの肥料_e0125014_19511711.jpg 今では余り見かけられなくなったが、西広島バイパス開通前には阿品の海岸の堤防の上では「ヒトデ」を乾燥させる光景が良く見られていた。これは畑の肥料にするためで、農家の人が行なっていたのだろうが チョットした家庭菜園をする人たちもこのヒトデの肥料を利用していた。

 水気を含んだヒトデは重いので海岸から遠く離れた人が肥料にすることは先ず無く、海岸沿いの人のみがヒトデの肥料を活用していたらしい。

 ヒトデは海が干潮の際いくらでも拾うことが出来るし、漁業をする人の魚を獲る網にもたくさん入っていたそうである。ヒトデは太陽の熱で乾燥するので、乾いた物を石などで叩くと粉々になるくらいであった。生乾きの時は臭気を発するので近づくと気分が悪くなりそうであった。

№611 ヒトデの肥料_e0125014_19514373.jpg ヒトデの乾燥は堤防の上に何十mにも渡って並べられ、その数は驚くほどたくさんある場合もあった。

 子どもの頃にはヒトデの肥料にどの程度効力があるのか思っていたが、ヒトデの肥料はとても効き ①土壌を元気にする。②野菜などの根毛を太くする。③根付きが良い。④夜盗虫が近づかない等多くの利点があるようである。

 ヒトデはあさりなどを食べつくすなどの害があり嫌われとなっているが、今では肥料にするために堤防にたくさん並べられた光景を見ることも無くなった。嫌われ者のヒトデをもう少し活用しても良いのではなかろうか。

 厄介者のヒトデであるが、汲取り便所に数匹投入すると蝿が発生しにくくなり、一部の地域では今でも活用しているそうである。
 
 なおヒトデは「人手」「海星」「海盤車」とも標記される。
 

by hirosan_kimura | 2014-02-03 09:53 | 農業 | Comments(0)

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