素人が調べたもので誤りも多々在ろうかと思いますが、気のついた点はご指摘を頂き、古い資料や写真等があればご一報いただければ幸いです。


by hirosan_kimura

№584 鰯

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 最近、早朝に三丁目の堤防すぐ傍を行ったり来たりしている船を良く見かける。海岸沿いを群になって遊泳している鰯を収穫しているようだ。

広島湾で獲れる鰯は「かたくち鰯」であるが、成長しても10cmくらいなので単に「小鰯(こいわし)」と呼んでいる。解禁されるのは毎年6月10日から翌年2月までとなっている。食べ方は色々あるが一番美味しいのは刺身でであるが8月末頃までが一番美味しいと言われ、東京方面からの出張族にも広島名物として好評らしい。

 小鰯の大半は「いりこ」に加工されるが、昭和20年代頃までは地御前では収穫した鰯を湯がき、空き地と言う空き地一面にござなどの上に広げて乾燥させていたが、今ではこのような風景も見られない。

 小鰯が獲れる時期には海岸傍まで群で寄ってくるので、子どもでも簡単に面白いほど釣ることが出来る。また網に長い竿を付けてすくえばいくらでも獲る事が出来て、大量に獲れて処分に困るくらいである。

 小鰯は七回洗えば鯛の味がするなど言われているが、旬の時食べれば本当に美味しく幾らでもたべられる。しょうが醤油で食べるのが一般的であるが、わさび醤油に付けて食べるのが好きである。

 小鰯の刺身を食べる方は良いが、小さな魚なので頭と内臓を取り骨を除く必要があり調理する方は大変である。調理するのに包丁を使用する人。細く切った竹を薄く削って丸くした物。中にはスプーンで調理する人もある。小鰯の刺身が好きなので母に良く作って貰っていたが、調理器具は使わず指先のみで調理していたが不思議あった。たまにスーパーで売っていることもあるが、調理して時間がたっているせいか余り美味しく無い。

 小鰯は刺身以外に天ぷら・南蛮漬などで食べるが、頭と内臓を取り除き醤油で煮付けた物も好きである。今では見かけることも無いが小鰯を入れた炊き込みご飯も美味しい物であった。

 阿品近辺で獲れる漁獲物で小鰯の刺身とあさりは食べ飽きることは無い。季節以外の小鰯は脂が乗り切って美味しくないようであるが、小鰯の刺身が食べられる季節が待ち遠しいものである。
by hirosan_kimura | 2014-01-07 11:23 | 水産 | Comments(0)