№541 手製の土管
2013年 05月 07日
右側の土管は筒状のみであるが、中央と左側の物は継手が付けられている。古い時代の筒状のみの物は土管を連続して並べるのみで土管と土管の間からは水が漏れて効率が悪かった。これが改良された物が土管の片方に受け口が付けられたものである。
土管の製造は中央に竹や木材を芯としその廻りに藁を巻き更にその外側に幅4cm位の肉薄の木板が8~9枚で円状に巻かれていた。
ある程度落ち着いた点で、片方より小竹を差し込んで中の芯を慎重に抜き取る。
その後太陽で良く乾燥させて薪炭の上に並べ着火し更に土などで覆って火入れすれば、楽焼程度の硬さとなり、土管としての実用性に耐えることとなる。
土管の材料には黒粘土や赤土が使われていた。黒粘土は村内では余り産出されなかったが、赤土はツ面谷・鹿の子山・田屋奥のかわらけ迫山などから採取することが出来た。
これらの土管が製造され始めたのは、赤土土管は今から380年前位、黒土土管は280年前位と推測されている。
これらの土管は農民が手作業で加工した物なので、同型でも製品は不ぞろいであった。