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by hirosan_kimura

№505 北の子の星(きたのねのほし)

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 「北の子の星」とは北極星のことで、地球上から見るとほとんど動かず古代より方位を見定める目標に利用されてきた。この星について地御前では次のような伝説がある。

 昔、地御前に熊野屋徳兵衛という千石船の船頭がいた。日本海を航海して北海道から昆布や鰊を積込んで処々方々に売っていた。彼のことを人々は「きたまい」の人と呼んでいた。

 徳兵衛の航海中、彼の妻は二階の天窓からさし込む「北の子の星」の明かりで機(はた)を織っていた。ある日妻は徳兵衛に「あなたは何を目印に「きたまい」をなさるのですか」と聞いた。彼は「それは動かぬキタノネノホシを目印にする」と答えた。

 妻は「あのネノホシはわたしがためしたのに、二階の天窓で一寸角動いています」と言ったという。

 この話は「安芸国昔話集」などの著書がある磯貝勇氏が各地で伝説を収集していた際、偶然 地御前村のある少年より聞いたものである。

 北極星は古代より真北の天空で微動もせず航海中の目印とされてきたが、正しくは真北の方向から少しずれていて、北極の周りを小さい円を描いて動いている事実を物語るものである。

 世界でも珍しいと言われるこの伝説が、地御前の村で始めて発見されたらしい。この伝説は当時話題となり、昭和30年9月5日付けの中国新聞に掲載された。

 また星の伝説研究の大家「野尻抱影氏が、「新青年」と言う雑誌にこの伝説を紹介され全国の星仲間の話題を奪ったそうである。

 ちなみに地御前のある少年とは、今は亡い私の従兄の一人である。
by hirosan_kimura | 2013-01-18 11:09 | 伝説民話 | Comments(0)