№406 廃れる風習   

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 明日9日は阿品の氏神様「岩鏡神社」の秋の例祭である。祭りに先立ち町内全戸に藁縄と紙垂の切り方が配布される。祭りの数日前までには各家では玄関周りに注連縄(しめなわ)を張りめぐらす。

 以前には極当たり前のように各家庭で注連縄を張っていた。しかし祭り前日と言うのに注連縄を張ってある家は三分の一もない。我が町内会は海を埋立てて作られた住宅地。大半は他地区から移り住んだ家庭ばかりとはいえ寂しい限りである。

 古来しめなわは、清浄・神聖な場所を区画するものであるが、各家庭で注連縄を張り巡らすのは、家の中に悪霊を入れず、けがれを去り無病息災・家内安全を願ってのことと言われている。

 なにもかも合理的な考えの現在、単なる迷信・根拠の無いことと注連縄を張る家も年々少なくなっている。注連縄の深い意味もわからず、単なる飾り物としか思われていないのであろう。

№406 廃れる風習_e0125014_1041369.jpg 毎年、秋祭りの前日には地御前の氏神様「大歳神社」より神主さんと獅子がやってくる。太鼓を叩きながらやって来るので、遠くから太鼓の音が聞こえてくると、間もなく我家に来るのが分かるので慌てて家の中を片付けて待っている。

 獅子が家に上がり座敷などで口を二三度パクパクとし、玄関先で頭をたれて神主さんより御祓いを受ける。あっという間に済んで仕舞うことだが、大半の家では獅子が来るのを迷惑がり、廻って行く家は数分の一しか無いとのことである。
 
 №406 廃れる風習_e0125014_11313277.jpg昔から阿品に伝わる風習もどんどん失われて行く。このようなことで、阿品に住んでいる子どもたちが自分の住んでいる地域に愛着を持ち続けて行く事が出来るであろうか、疑問に思う今日この頃である。

by hirosan_kimura | 2011-10-08 11:39 | 行事祭礼 | Comments(0)

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