№350 鰆浜の新旧国道
2010年 03月 23日
その昔、阿品附近は山裾まで海が迫り海岸沿いには道が無く、潮の引いた時にやっと磯伝いに人が往来出来るのがやっとであった。
そのうち、人が歩ける程度の道の時代が長く続いたようである。
明治12年に旧国道が完成したが、地御前村内の国道は宮内境から地御前神社附近までは旧村道で、道幅二間(約3.6㍍)弱のところもあった。
神社以西は海を埋め立てて整備された新設の国号で、道幅は三間(約5.5㍍)以上あった。
鰆浜(今の阿品一丁目)附近は、海岸からの高さ一尺五寸(約45cm)で漆喰土盛りだったそうである。この高さで風の吹いた時には潮が道路に上がらなかったのであろうか。
旧国道は田屋と鰆浜境界部分から山沿いに新設されている。
昭和7年3月には旧国道沿いに海岸が埋め立てられ、新国道が完成した。有効幅員は11㍍であるが、海岸の埋立や、沖山付近の広電宮島線との立体交差等の難航時であった。
上図はオレンジ部分と黄色部分が旧国道。青色部分が新国道である。黄色部分は旧国道と新国道との重複部分である。
中央右側の新旧が分離した部分は、現在でも国道沿いに三角部分に僅かに面影が残っている。現在の藤和ハイタウンマンションの前附近である。
分離した左部分の旧国道は払下げられ民家が建っている。
その後、新国道海側には広電宮島線が敷設され、昭和49年4月に完成した西広島バイパス工事では更に海沿いが埋め立てられ、広電宮島線の海側への移設、道路の拡幅により、この附近の風景は大きく変容している。