素人が調べたもので誤りも多々在ろうかと思いますが、気のついた点はご指摘を頂き、古い資料や写真等があればご一報いただければ幸いです。


by hirosan_kimura

№227 小鳥原小学校阿品分校

№227 小鳥原小学校阿品分校_e0125014_1446220.jpg 廿日市西高校の東側谷間の奥に「小鳥原小学校阿品森分校」の標柱がある。「小鳥原」と書いて「ひととばら」と読む。

 この小学校は平成19年3月に廃校となった、庄原にあった小学校である。

 明治8年に開校した歴史ある小学校であったが、過疎により児童が減少し廃校になったものである。

 廃校直前の児童数は僅か16人であったそうである。

 この小学校は、自然を体験する学習の盛んな学校であった。自然保護団体から、何回も表彰されたそうである。

 団栗を子ども達がひらい、それを蒔いて木に育てる活動もしていたが、廃校に当り育てた苗木が遠く離れた阿品の地に一部移植された。

 廃校となった小学校をいつまでも忘れないよう、この標柱が立てられたらしい。

№227 小鳥原小学校阿品分校_e0125014_14495877.jpg この標柱が立てられている一帯を「阿品の森」と言う。

 阿品台の団地が出来た頃、周りは空き地だらけで、団地のすぐ側は林で囲まれていた。その頃はこの森附近を、子ども達は「秘密基地」にして良く遊びまわっていた。

 この森は市有林であるが、平成11年に「郷土の森林保全活動モデル事業」に指定されて、森の整備が開始されたものである。

 森林サポーターが一般公募され、約90人くらいの人数で、下草刈りや枝打ち・間伐などが行われた結果、素晴らしい森となっている。
 道路は整備され、下草は刈られ、標柱も整備され迷うこともない。

№227 小鳥原小学校阿品分校_e0125014_1563149.jpg
 この森は住宅地のすぐ側にありながら、知っている人は限られているのではなかろうか。

 広い道路からわずかに入っただけで、大型団地に接しているとは思えないほど、深山の雰囲気が味わえる。

 周囲の阿品の山とは異なり、楠木やその他の巨木も聳え、一面が照葉樹林で覆いつくされ、人里離れた山奥に入り込んだようである。

 足元さえしっかりしていれば、誰でも散策できるよう山道も整備されているので、訪ねて行って深山の雰囲気を体験する人が増えれば良いと思う。

 整備された山道を30分も登れば、眺望の良い山頂にたどり着くことができる。

「阿品の森」樹木等
アカマツ スギ ネズミサシ ヒノキ アラカシ カクレミノ クスノキ コジイ 
ソヨゴ タブノキ ヤブツバキ リンボク アオハダ アカメガシワ アヌシデ エゴノキ クリ コシアブラ ゴンズイ キナラ タカノツメ ハリギリ 
オオバヤシャブシ ヤマガキ ヤマザクラ リョウブ アセビ イヌツゲ 
イヌビワ クロキ シャシャボ ネズミモチ ひさかき イヌザンショウ 
コバノミツバ ザイフリボク タニウツギ タラノキ ネジキ マルバハギ 
ミヤマガマズミ ヤマウルシ ヒメヤマツツジ ショウジョウバカマ フユイチゴ マンリョウヤブコウジ クズ サネカズラ サルトリイバラ ヤマフジ 
ヤマブドウ ウラジロ コシダ シシガシラ ベニシダ マダケ チヂミザサ

 身近な所で、驚くべき植生である。植物の好きな人なら、植物図鑑片手に散策するのも良いであろう。
by hirosan_kimura | 2009-10-17 06:25 | 阿品台 | Comments(0)