素人が調べたもので誤りも多々在ろうかと思いますが、気のついた点はご指摘を頂き、古い資料や写真等があればご一報いただければ幸いです。


by hirosan_kimura

№190 二段重ねの桟橋

№190 二段重ねの桟橋_e0125014_1257692.jpg

 阿品の「お上がり場公園」に余り長くない桟橋がある。良く見ると旧桟橋の上に、桟橋が重ねてあり横から見ると二重になっているのが良く分かる。

 いつごろ桟橋の上に桟橋が重ねられたのかは良く分からないが、昭和40年代か50年代頃ではないかと思われる。

 何の理由でこのような工事が行われたのかは分からないが、桟橋の勾配を少しでも緩やかにしたものか、満潮時には石垣のある辺りまで潮が来るので、潮で浸かる部分を少なくするためかも分からない。

 この桟橋は、明治18年8月1日に明治天皇が宮島からこの地に上陸されるため作られた施設である。

 桟橋は2ケ所あり、長さ12間・幅2間・高さ1丈のものと、長さ42間・幅3間・高さ1丈のものであった。

 明治23年の暴風雨により施設は潰落し長く放置されていた。大正11年にこれらの施設は復旧されたが、明治天皇が上陸された当時のままに復元されたのかは分からない。

 この地は、子どもの頃には夏になると阿品の子ども達の遊び場となり、朝から晩まで良く泳いでいたものである。

 桟橋は小魚を釣る場所になったり、水遊びの場所となったり懐かしい思い出がたくさんある。

 満潮時には桟橋のかなり上まで潮で浸かるが、水の中に潜り桟橋の下を泳いで反対側まで出ることが出来たら、一人前になれたようで得意がったものである。
№190 二段重ねの桟橋_e0125014_13305086.jpg

 かつては十数本の老松が公園全体を覆い、その木陰には各地より海水浴客がたくさん訪れていた。

 公園には複数の露店が営業し、鰆浜側の砂浜には貸ボートや飛び込み台もあり夏中賑わった。

 バイパス工事で公園敷地は削られ、生い茂った老松も枯れはて、きれいな砂浜も牡蠣養殖のため地形が変わり、海水は汚染しかつての面影は無い。

 当時と変わらないのは公園の真中に建立されている「西幸記念碑」くらいのみである。
 
by hirosan_kimura | 2009-08-05 13:28 | 名勝・旧跡 | Comments(0)