№732 阿品海沿い今昔
2016年 01月 06日
昔の写真が無いかと探していた所、隣の方がこんな写真があったと見せていただいた。この写真はバイパス出口の道路拡張工事で立ち退きとなった家の二階から撮影されたものと思われる。
推測では昭和40年頃撮影されたのではないかと思われるが、国道を走る車は僅かなものである。左上の海は埋め立てられマンション群となっている。右下部分には潮廻しの名残が見られ、遠くには池洲も見られる。
この写真は現在のJR駅前付近を撮影したものである。この一帯は国道より一段と低地になっており、大雨が続くと良く浸水をしていた。
右上に工場らしきものが見られるが、「樋口工業」と言う鉄工所でいつのまにか倒産し、廃墟となってしばらく残されていたがいつのまにか撤去された。
上の写真が撮影された場所は国道敷地となっており同一地点での撮影は出来ないが、ほぼ同じ角度から撮影した現在の状況である。
国道は二倍近くに拡張され交通量も増大している。国道の左手海岸は埋め立てられたくさんの建物が建てられている。
駅前付近は国道と同じ高さに埋め立てられ、ふじタウン・三丁目に進入する高架陸橋や道路が整備されている。JR阿品駅も整備され店舗等の建物が建てられ遠くまで見通すことが出来なくなっている。
上の写真が撮影された付近の海側の堤防を写したものである。
右側の広電軌道は昔のままであるが、左側の海は埋め立てられたくさんの建物が建てられている。この場所から見通すことの出来た宮島は建物の陰となり見ることはできない。
上の堤防のすぐそばの「お上がり場」の桟橋を撮影したものである。子どもの頃にはこの桟橋を「長(なが)桟橋」とよび左側にあった短い桟橋からこの桟橋まで、初めて泳ぎ切った時は嬉しかったのをかすかに記憶として残っている。この桟橋は今から130年前に造られたものである。
以前撮影された時期と殆ど変っていないように見受けられるが、良くみてみると大きく変わっている。
良く見ると元の桟橋の表面をかさ揚げしてその上に重ねて増築されており、堤防が二重になっている。130年前に築造された部分は、長年の風雨・潮の干満などで荒れ果てたのであろうが、何故元の面の上に直接コンクリートで補強せず、わざわざ二重にして間に空間を設けたのか不思議である。