№669 地御前の地名(9)
2014年 11月 28日
ひと目で見渡せる田屋の巻
田屋町は戸数二十七戸 人口一三二で農業、漁業、土木工業等、種々な職業を営んでいる小部落です。
中央には、昔より一本大松があり、西には地御前共同農園として、過去約二十年前、地御前村発展のため、約五町幾反歩の山林を村民の力によって開墾した果樹園があります。ただしこれは、戦時中の人手不足と、食糧増産のため、協議のうえとうとう果樹を倒し、各町々に分配して農場とし現在に至っております。
また南は沖山別荘地帯です。そして後に国鉄山陽線、前に電鉄宮島線、その沖は観光道路で、毎日毎夜、通行する汽車、電車、自動車、人それに加えて海を走る船などとても賑やかです。
さて、眼前に迫った管絃祭には、地御前より続く海岸に見物の人や自動車の波でごった返すことは御承知のことです。
つぎに部落の衛生上では、後側に鉄道用地を拝借し、十分なる下水道を部落民共同によって竣工させ、臼井を中央より両側に分け海に流れるようにしております。下水道は常に清潔に使用しなければならないと思います。
終りに部落として御礼申し上げたいことがあります。それは終戦後今日まで、あらゆる建物改築所処の改修、防火用水溜池、農道復旧等を着々と進められることに対し、関係各位の御苦労をお察しする次第です。
特に目下工事中の田屋町浦、平原谷水道改修は大変ご心配を頂き、喜んでおります。
現在部落として一番お願いしたいことは防火用溜池に、有府港(地御前神社横)西側下水道、土管口の東を掘って万一の場合に備えたいことです。どうか一日も早くこれが実現しますよう、各位のご理解を得たいと存じます。
(昭和29年7月1日 田屋町総代住川記)
by hirosan_kimura
| 2014-11-28 05:42
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