№455 高くなった道路・低くなった宅地
2012年 05月 21日
鰆浜の国道沿いには民家が立並んでいるが、昔は道路と宅地が同じ高さだったような記憶がある。現在では見た目には高さが変わらないようであるが、良く見ると随分と道路面が高くなっている。
これは舗装面が傷んだ際、新しく舗装し直すのに元の舗装を剥ぎ取らないでその上に新しく舗装を重ねるので、道路面は舗装をし直す都度高くなるばかりである。
写真は道路面から平行に宅地面に線を入れてみたが、道路が宅地より随分高くなっているのが分かる。その分、歩道が傾斜し斜面となっている。
左側の宅地は、以前道路より低く昭和30年代頃だったような記憶があるが、家屋を道路と同じ高さにかさ上げをされ土砂を入れ道路と同じ高さにされたが、今では再び道路より随分低くなっている。
この写真は国道からの分岐している道路面から国道を写したものであるが、国道が高いのが良く覗える。国道面と分軌道面の間は歩道であるが、この高低差分だけ歩道が傾斜していることとなる。
国道の断面が見られる機会は少ないが、左の写真は「鰆浜川」に掛かる国道の橋を耐震補強工事をする際、元の地面まで掘り下げた道路の断面である。
正確かどうかは分からないが、一番下の①の部分は昭和7年に新国道が整備された当時の部分で、舗装はされていず砂利のままでである。
下から二層目の②は昭和11年にコンクリート舗装されたものと思われる。
下から三層目の③は、年代は分からないがコンクリート舗装の上にアスファルト舗装がされている。
一番上は昭和49年4月に「西広島バイパス」が鰆浜まで整備された際の舗装と思われる。
この写真を見るだけで、当初より国道が随分かさ上げされたのが良く分かる。正確な数字は分からないが、当初と比べると1メートル近く高くなっているのではなかろうか。
道路を新しく舗装する際、元の舗装を剥ぎ取るのは経費も手間も掛かるであろうが、道路が傷む度に舗装を重ねて行くと、道路はどこまで高くなるのであろうか。