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by hirosan_kimura

№208 彼岸花

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 秋のお彼岸の頃咲くので「彼岸花」と呼ばれる花の咲く季節もそろそろ終わりである。

 一昔前までは阿品では、墓地・荒地・田畑の畔などどこにでも見られた花であるが、近年はめっきり少なくなった。

 阿品も開発が進み、墓地は移転し、荒地も少なくなっている。田畑も宅地化され少なくなった上に、畔もコンクリート化され、彼岸花の生息地も狭められるばかりである。

 それでも少し探せば、真っ赤な花が咲いているのを見かけられるが、かつてのように群生しているのは見つけられず、数本か十数本咲いているのがせいぜいである。

 彼岸花は色も姿も美しい花であるが、子どもの頃より不吉な花とか、毒があると教えられていたので、子ども心にも不気味な花の印象が強かった。

 墓地に良く生えていたのは、土葬の時代その毒を嫌って野犬やその他の動物に、死体を荒らされないためだそうである。

 田畑の畔に多いのは、彼岸花の毒が野ねずみやモグラに嫌われ、畔に穴を空けられないためである。

 彼岸花は、稲作の伝来と共に中国から渡ってきた帰化植物で、今では日本全国に広がっている。
 
 別名、曼珠沙華(まんじゅしゃげ)と呼ばれるが、仏教に由来し語源はサンスクリット語と言われる。「赤い花なら 曼珠沙華 オランダ屋敷に 雨が降る」の歌で知られている。(この歌を知っていると、年令がばれそうであるが)

 この他、墓花(はかばな) ・死人花(しびとばな)・地獄花(じごくばな)・幽霊花(ゆうれいばな)・狐花(きつねばな)・捨子花(すてごばな)など恐ろしい名前が付けられている。

 彼岸花ほど別名(方言)が沢山ある花は珍しく、日本各地で1,012語もの呼び方があるそうである。

 この花の鱗茎は有毒であるが澱粉に富み、長時間水に晒すと無害化し、戦時中や飢饉の際は非常食とされたようである。

 また、石蒜(せきさん)と呼ばれる生薬を含み、利尿・去痰作用があるが、素人が扱うのは危険と言われている。

 隣茎は粘着力が強いので、第二次戦争中 風船爆弾を作る際接着剤として利用され、アメリカまで気流を利用して流したそうである。いくらかはたどり着いたらしいが、どれだけ効果があったのかは疑問である。
by hirosan_kimura | 2009-09-28 06:25 | 植物 | Comments(0)